第1章2項
丹波の森「四度石遊山」を訪ねて(2)

そこからは林の中を道なりに200m程行くとゲートが出てきて、「四度石遊山」に到着である。二つ目の丹波石を積み上げた大きな門が現れ、すぐそばにはきれいな湧き水が流れている。少し登ると二又の道があってさらにまっすぐ登っていくと、左手に大きな石垣の建物が見えてきた。

うぐいすの鳴き声の中、森の空気に包まれながら、上の方にある庵、「無彊庵」(むきょうあん)に案内された。

うっそうと繁った森の中に白い壁の平屋建が見えてきて、早速中に案内される。

土間は三和土(たたき)で作られ、上がり框があって広い居間に上がると囲炉裏があって障子窓と蔀戸(しとみど)などを見まわすとまるで江戸時代の町家の中にタイムスリップした様な感じである。

「いやあ、遠い所を出て来ていただき有難うございました。」
見ると小さなタンスと文机があるのみでテレビも置いていない。まさに俗事を離れた庵の雰囲気である。
親子三人は珍しい室内を興味深くながめ、勧められたお茶を飲んだ。

彼は大変気に入った様子である。
「やっぱり本物の造りなんですね。木の造りが暮らしと溶けあってますよ。私も将来、離れとしてこのような庵を造りたいと思いますね。」

しばらく休んでもらってから、
「そろそろ下の建物にご案内したいのですが。」
私のすすめに早く見たい彼はすぐに立ち上がり、戸外に出た。