第1章4項
設計と伝統構法、素材の吟味(2)

窓を広く取るため柱と柱との間に一尺二寸(36㎝)の地松の差し鴨居を開口すべてに取付け、強い仕口や継手で緊結し、木が持つ本来の柔軟性を生かし強い地震にも耐える構造にしました。

壁は竹小舞を棕櫚縄(しゅろなわ)で編み、わらを混ぜた土は時間をかけて寝かせた上で内塗り、外塗り、大直し塗りの後、充分な乾燥をしてから中塗りし、仕上げに漆喰で上塗りをし、地震に強い耐力壁にしました。


建物の外廻りは長い幅のある回廊を造り石垣は勾配を持たせて築きどっしりとした重量感を出しました。