第2章10項
地震で倒れない伝統木造建物 -実大伝統木造建物の振動台実験-

実験は文部科学省「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」の一環として京都大学防災研究所(鈴木祥之教授)の主導により防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センター(Eディフェンス)で平成19年1月30日と2月2日に実施された。

目的は伝統構法木造建物を構造力学的に解明し、耐震性能を評価するため、床や屋根構面など水平構面の影響、礎石立ち・足固めの柱脚仕様の効果、直交する鉛直構面の効果、仕口など接合部の効果を検討することになった。

今回は、2月2日のJMA神戸波(1995年兵庫南部地震で神戸海洋気象台で記録された震度6強の地震波100%)による実験をとりあげる。

実験の目標とされた加速度はX軸620Gal(左右方向)とY軸820Gal(前後方向)とZ軸330Gal(上下方向)で行われた。振動体のモデル棟は短辺方向と長辺方向に架けた切妻屋根の2棟が設置された。