第2章11項
石場建基礎工事(2)

また東大寺三門は太い丸柱が直接化粧なしの自然石の上に立てられている。


礎石の形状がよくわかるのは奈良興福寺の中門回廊跡の基壇で自然の礎石の上端が柱を載せる面加工をしている。


基礎工事が始まった。いよいよ新しい伝統構法のスタートである。今回、施主である鈴木さんの敷地の地盤調査をした結果、まず7m程の深さまでセメント系固化材の杭を打ち地盤の補強を行った。

石場建足固め構法である建物の全周に鉄筋入りのコンクリートを固め、その上に礎石を載せ、柱を直立させる。礎石は700㎜角の厚みのある石を使う。これは地震によって柱が滑ってもゆとりのある面積を確保し、また上からの加重にも充分耐えるためである。

礎石は花崗岩である御影石を使う。もともと六甲山で採掘した石なので神戸の「御影」の地名から名付けられた。強い耐力を持ち化粧の美しさも秀れているが、今回の礎石は柱を建てる表面をざらついた加工を施してある。

現在の市場ではほとんどが中国産の輸入石になっている。色の種類が豊富で強度も国産と変らず価格面でも安価である。