施主さんは興味深く引き続き作業を見学している。よく世間ではまかせきりでほとんど現場に顔を見せない施主さんもいるが、実際に施工するところを見てもらうのが一番である。
差鴨居は障子や襖、窓など建具の開口部の上部に設け、二間の開口部なので柱に成(高さ)一尺(30㎝)、幅四寸(12㎝)の構造材を長枘(ながほぞ)差しで組む。車知栓(しゃちせん)と胴栓を打つ仕口でがっちりとした軸組をつくる。これで足固めと共調して強固な木組の中核を造るのである。