第2章17項
小屋組

いよいよ木組みも小屋組に移ってきた。
屋根を構成する架構(骨組み)であり、家の構造から和小屋の形をとることになる。

小屋組は屋根の荷重を小屋束を通じて小屋梁で支え受け、さらに軒桁に伝え分散させる役目がある。

今回の木組みは、軒桁の上に太くて長尺の牛梁をのせ、梁と梁の間が大きいので投掛梁や二重梁を用い、渡りあごや、かぶと蟻と言う仕口でかける京呂組(きょうろぐみ)を使うことにした。

小屋梁に束を立てて棟木(むなぎ)、母屋(もや)を支える。

小屋組を強固にするため小屋束の間に小屋貫や火打梁をし、母屋や棟木にはあり継ぎ、かま継ぎ、追掛大栓継(おっかけだいせんつぎ)などの継手(つぎて)を施した。伝統の技術を最大限に発揮した工程で複雑な木組みが完成したのである。

伝統木組み