第2章18項
貫(ぬき)を渡す

だんだんと骨組みが出来上ってくる。通し貫は柱と柱を連結する横木のことで足固めから上の間に横に渡し、柱の補強の役目をするが壁下地の取り付けと壁の補強も担っている。

東大寺三門にある七本の巨大な貫は、荷重を支える太丸柱に架り、水平力に抵抗する仕組を持っている。

貫工法

普通、貫は大きな変形性能を持っており土壁と一体になって、より大きな水平耐力を発揮する。

桁までの間に通し貫を三本通すことになる。金物と筋交いを使わないので、この横の補強材の意味は大きい。角柱にはさげ鎌と込み栓で固める。交叉する柱には段違いにする。差鴨居の上に内法貫(うちのりぬき)を一本、足固めと差鴨居の間に二本、計三本を渡す。

地震の横揺れに対しての復元力があり、筋交は柱間を斜めに取付けるので地震の大きな揺れでは筋交がつっぱり、割れたり破損したりして家をつぶす。貫構法は筋交い以上の柔構造になる。