第2章2項
間取りと設計
設計するにあたり施主さんの建築場所を下見し、用途地域等の諸条件を調べ何ら問題がないのでまず鈴木さんご夫婦が同席の上、充分に時間をかけ間取りなどの希望を聞くことにした。
平面図と立面図、外観をラフスケッチしながら詳しく聞き、間取りから建坪が何坪必要か、建築材料、工法によってどんな金額になるのかひとまずマスタープランと見積を次回に提出することになった。
非常によく研究されており、実に細部に亘っているのにおどろかされた。
ご夫婦の希望される間取り、構法などを整理して列記するとざっと次のようになる。
- 昔からある建て方で石の上に柱を直立させる。
- 床は湿気を防ぐため高くする。
- すべて無垢材で建てたい(檜、松、杉の国産材が中心)。
- 部屋は真壁にし、梁や柱の木組みを見せる。
- 壁は土壁、漆喰塗りにする。
- 出来るだけ金物は使わない。
- 間取りは一階にリビングを広くとり、和室三部屋、二階には和室と洋室の二部屋がほしい。
- リビングは吹き抜けにし、二階の部屋から見下ろせるようにしたい。
- キッチンはカウンター対面で食器棚は作り付けがよい。
- 和室には床の間、書院を設け、欄間を付ける。
- 縁側(廊下)は広くとりたい。
- 一階に納戸、二階にもトイレがほしい。
- トイレも和風に厚目の板の台を付け陶器も和風の手洗にしたい。
- 風呂は檜風呂にする。
- 囲炉裏を造ってほしい。
- 屋根は日本瓦にする。
- 外柱は丸柱で自然石の上にのせてほしい。
- 庇は長いめにしてほしい。
- 玄関土間を広くしてほしい。