第2章22項
竹小舞土壁の工事(2)

その工程が済むと充分寝かせ発酵した土にさらに少量のわらを混ぜる。まず荒塗りを家の内側から始め、続いて家の外側からも塗り、夏場は片面で半月、冬場は片面で一ヶ月の間乾燥させ、再度、外側を大直し塗りをする。次いで、きめ細かい柾土(まさつち)にスサ(わら)を入れた中塗り土を柱にすき間が出来ないようにのれん打ちをして塗りこんでいく。

竹小舞

上塗りはきめの細かい土やさらにふのりを混ぜて仕上げたものを塗ったり、自然な土と細いスサを見せることもある。
今回は施主さんの希望で漆喰で仕上げ塗りした。
この他、仕上げ塗りに土佐漆喰(とさしっくい)、聚楽土(じゅらくつち)などがある。土壁の作業をしていた時、通りがかりの人が始めて見るように不思議そうに見つめていたが、それ程この工程はめずらしく、今日ではほとんど消えてしまった工法なのである。