第2章6項
地産地消のすすめ

読んで字のごとく生産地の近くで消費する。つまり住宅建築は日本の国で生産され、日本の風土に合った木材を使うのが一番よいのである。

輸入材は伐採のし過ぎで徐々に値上りの傾向にあり、良材が少なくなりつつある。それらの輸入材は遠い国から船で運ぶウッドマイレージからみてもエネルギーの消費も無駄で、輸入材は早い時点で腐朽したり、白アリの被害に合うことが多く、家の寿命も短くなり、結局三十年程で建替えをせざるを得ないことになる。一生に二度も建替えをすることは避けなくてはならない。

木材の価値観が変わり、住宅工法が洋風化に変化し、外国産の木材や集成材等の貼り物を使ったローコストの安普請住宅などの影響で輸入材が巷に溢れ、ここ十五年から二十年檜等は値の動きが低迷しており、国産材を積極的に利用してゆくべきであると思われる。

やはり、それぞれの国の風土に合った地産地消で建てるのがベターである。

国産材中心で日本の住宅文化を取り戻し、推進してゆくことを喚起したいのである。

それには国内林業の衰退と温暖化現象で国土保全機能の弱体化を防ぐ努力をしなくてはならない。持山に植林し、育成管理の上、極力自社が建てる家には自前の木材を使っている。

自然に落種して芽生えし、何十年、何百年の大木に成長するほんとうの天然樹は少なく、大半は植林した人工林なので伐採から植林育成のサイクルは今後も延延と続けられてゆくのである。自然環境を保全しながらこの天の恵みを私達は大切にしなくてはならないのである。