第2章7項
木は生きている

秋十月〜十二月に伐採し、葉枯らしなど自然の乾燥にある程度時間をかけるのがよい。本来しっかりした家を建てる場合、それぐらいの心がまえが大切である。

無垢材は自然の木であるので製材後であっても木は生きていて、呼吸をし、湿度の調節もしているから寒暖の違いに反応し、自ら伸縮する性格を持っている。

木組みをし、完成してから若干のすき間や、反りが発生するのはむしろ自然なことで、本ものの無垢材を使っている証しである。

逆に新建材で建てた家の柱や合板は化粧材を接着剤で貼りつけた貼り物なのですき間や反りが出ないが耐用年数が短い。施工後しばらくしてから、天然の本物の木と貼り物建材とよく誤解されクレームがつけられるがこれは大きな間違いである。新建材で建てた家は直後はきれいに仕上げているが、年が経つにつれ、劣化が進み、みすぼらしくなる。その点、無垢材で建てた家は築後手入れをすればする程、木に艶が出て強くなり家の寿命も延びるのである。

家を建てる時、本物の無垢材と貼り物の木の違いを見分けるぐらいの知識はぜひとも必要である。