第2章8項
構造材(2)

■杉(スギ) スギ科 常緑高木 針葉樹

生産地は吉野(奈良県)、徳島、北山(京都府)、美作(兵庫県)、智頭(鳥取県)などがあるが、東北地方から南九州に至るほぼ全域に分布している。
木肌は檜に比べると白く艶が少ないが、年数が経ると年輪の幅が狭くなり木目が美しくはっきりしてだんだん堅くなる。節は檜のように艶はないがすばらしい香りを発散させる。また杉は檜より軟らかく軽い。木にぬくもりを持っているので内壁や床材に多く使うと冬は昼の温度をためて夜暖かい保温力を出す。
構造材や化粧用に使う天井板や床板の他、建具家具などの造作物にも適している。
杉の部屋は檜より赤味があるので落着いた雰囲気がでる。


■ヒバ(青森ヒバ)

生産地は青森県他東北地方黄色味で少しくすんだ色味を持ち、ヒノキチオールの成分を含み強い芳香を発散させ白アリや湿気にも大変強い木である。
木肌は美しく土台、柱、浴室、窓枠、建具にも使われているが最近は東北檜よりも少し割高になっている。


■欅(ケヤキ) ニレ科 落葉高

生産地(日本特産)ほぼ全国に分布。
高さ二十メートル以上にもなる。
材は堅く良質で強度があり、耐水性にも優れている。
昔と比べ産出量が少ないが、主に社寺仏閣材、造作材に使用し、細工がし難い。
価格は高くなっている。


■栗(クリ) ブナ科 落葉高木

生産地 東北から九州まで分布。
生長に針葉樹より期間がかかり、まっすぐに伸びず長尺ものは採り難く今はあまり使われていない。昔は寺院などの土台によく使われ、材は堅く、水に強く土台の他、家具工芸品に向いている。今は九十%程が中国産で割安であるが国産よりは材質は少し落ちる。
国産が最良と言われるが価格は高い。