第2章9項
石場建足固め構法(2)

石から少し上の横材を「足固め」と言うしっかりした土台に代る木材で足もとを固め、柱との接合部は特殊な「仕口」(しぐち)で強固に固めている。もちろん金物など一切使われていないのである。

しかし、この「光つけ」の技術は特殊で時間もかかり合理的でないので、現代では新しい「石場建足固め構法」が考案されたのである。

それは、コンクリート基礎の上に柱より幅にゆとりを持たせた礎石を固定させ、その上に柱を直接建て、少し空間を空けた上に「足固め」の角材を横に渡し、開口部の上部にも差鴨居や貫を渡し構造的に強化を行い、柱との接点を伝統の「仕口」(しぐち)で固める構法である。つまり、昔と違う点は石の使い方に工夫がなされたのである。いかに「石場建足固め構法」が地震に強く免震力を発揮すると言ってもそれだけでカバー出来る訳ではない。足固めや差鴨居、貫などの横架材は構造力学的にも最重要な箇所であるが、梁を二重に載せる木組や小屋組、竹小舞を編んだ土壁の耐力、本格瓦を葺いた屋根などが相互的にリンクして始めて地震で倒れない伝統構法の家が出来るのである。

私達は、この柔構造にして免震力の強い構法を時間をかけて施主さんに説明し、事前に了解をとりつけ、このたび施工のはこびとなったのである。

時間は少しかかったが限界耐力計算法により、構造計算がなされ、構造計算適合性判定(ピアチェック)を受け認可された。

ここに画期的な建築のスタートが切られることになったのである。

施工は縦の柱に足固め、差鴨居、桁の横架材を車知栓の仕口で緊結したラーメン(rahmen独語で額縁)構造をクレーンで吊り上げ墨付通りの礎石の上に載せ、先に設置してある別のラーメン構造とを横架材で継いでゆく。ここでは緊結箇所に金物は一切使っていない。

こうして骨組みが出来、全体像が浮かびあがった。