第3章11項
無垢の家は天然塗り物で仕上げる

いくら天然の良質の無垢材を使って建てた家でも柱、梁、床、建具などの塗り物やワックス及び接着剤など内容が不鮮明なものを使えばその素材の持つ特徴、性能が害され、人体にも悪影響を及ぼしてしまう。食品のように原材料を明記しなくてはならない法規制がなく、中身に何が混入されているのか判断が出来ないものが市場に出まわっている。注意を喚起したいものである。
天然の素材で造った建物の防虫、防腐、保全、美装など仕上げに手を加えるものはやはり天然でつくられたものがよいのは言うまでもない。塗った木に塗膜が出来ないので木の自然の呼吸を妨げず調湿を保つ役目をする。木に浸透する性質があり、重ね塗りが出来、自然の木肌を保つことができる。

ここに、いくつかの天然塗り物を列記してみたい。

■べんがら

分が酸素と結合して出来た酸化鉄粒子で無毒、無害の顔料で赤色の顆粒であるが結晶の形状によって黄、紫、黒などの顔料にもなる。このべんがらに菜種油やゴマ油を混ぜて練ったものを床や柱などに塗り込み、布でこすると古民家の色合いがでてくる。建物の防虫、防腐の効果があり木肌が深みのある色になる。

■亜麻仁油(あまにあぶら)

麻科の種子より作る油。よく乾く特徴をもつ乾性油である。柱、床、建具、家具に使用すると木肌の生地を生かし、しっとりとした感じになる。

■柿渋(かきしぶ)

柿渋の果実をしぼり、その果汁を長時間熟成させたもの。タンニンを含む水溶液で家具や壁に塗布すると防虫、防腐の効果があり紙や織物の防水、殺菌にも使われる。又、柿タンニンにはポリフェノールがあり化学物質を吸着し、無害化する健康塗布剤でもある。

■蜜蝋(みつろう)

の蜜を吸う蜜蜂が出す「ろう」状の分泌物で人体へは無害で安全性が高く、化粧品や菓子など多目的に利用されている。
建物には天然のワックスとして柱、床、建具、家具などに塗り込む。