第4章2項
建具の現況(4)

■書院

和室には昔から作られており、床の間のわきに窓付の張り出しのある客間でもともと書斎、学者の居室に作られていた。
細工ものがあり、「組子細工」で絵模様を入れて趣きあるものである。
素材は杉、檜など。ご両親のお気に入りの書院でもある。

■襖(ふすま)

和風の部屋、押入れの仕切りなどに使う。
和紙、布を貼った戸、ふすま障子。
今回造られたのは「手漉(てすき)本鳥の子ふすま紙」(和紙)で最良の品と言われ、日本の紙幣にも使われている。
又、中抜きにして「組子細工」(くみこざいく)を入れたものもある。

■欄間(らんま)

通風や採光を良くするため、天井と鴨居や長押(なげし)との間に格子や透かし彫りの板をはめ込んだ部分を言う。「組子欄間」や「彫刻欄間」、「透かし欄間」など芸術性の高い細工物で杉、檜、桐などが素材として使われている。ご両親の趣味をとり入れられ、欄間は杉の彫刻欄間になる。

■蔀戸(しどみど)

外部用建具の一つで格子に板を貼った建具上部を鴨居に取り付けて押しあげ棒で開閉する。
西陽を防ぐのに適している。

■無双窓(むそうまど)

窓枠の外に連子板を打ち、内側にも連子板を組んだ戸を入れた窓を左右の移動によって開閉する。
室内に設け、風の通りや採光の調整をすれば昔の雰囲気が出ておもしろい。

■簀戸(すど)

夏の涼を求めるため障子などを簀戸に替えると風流な感じになる。簾を戸に仕立てたもので葭戸や萩戸がある。
簀戸は風の通りを良くするため、腰板に無双窓や格子窓を設けたりもする。
四季に応じた日本家屋に住む先人の知恵が偲ばれる

■簾(すだれ)

縁側の庇の下に簾掛けを設け夏の陽ざしを避ける。簾掛けに透かし彫りなどの細工をすると趣きがある。簾の用材は細く割った竹や葭を編んだもので、軒や鴨居から垂れ下げ、日除け、通風、外からの目隠し、仕切として使う。