庭園の作業は設計、デザインから造園まで結構時間がかかるので、家の内部の造作や建具の造りと平行の作業に入った。
まず施主さん家族揃ってもらい希望を聞く。子供がまだ小さいので庭で充分に遊ばせてやりたいので縁側の沓ぬぎ石から庭側に芝生を植えたい。しかし、芝生だけを一面に敷きつめるのも殺風景なので前栽として奥の塀より手前は植木や石でまとめてほしい、天気の良い日には家族と庭でお茶や食事もしたいとの、ざっとした希望が出た。50坪ほどもあるのでゆったりとした設計が出来る。基本的には純和風造りの家なので、自然風景式庭園を造ることに同意してもらう。自然風景式庭園なら池を設けるのが通常なので小さめの池を造った。
家の外と中との中間で楽しむ仕組として、建物の続きに庭に向って大きなぬれ縁を設ける。このぬれ縁の屋根は大きく庭に張り出し、この張り出した深い軒は木陰や雨除けの役目を果す。
テーブルや椅子を配してお茶を飲んだり、食事をするのにキッチンも近くで準備や片付が楽にできる。ぬれ縁の周囲にも庭木をあしらう。
庭木は常緑樹である広葉樹でツバキ、ツツジなど季節に花を咲かせ目を楽しませてくれる低い植木から少し成のあるツゲ、マキ、キンモクセイを植栽する。