日本人は昔から独特の美意識がある。数寄屋造りは侘と寂は日本人の持って生まれた美的理念とでもいうものである。ひっそりと静かな生活をする、簡素のもつ美しさ、古びた味わいのあるもの、物静かで深い趣。
それは閑寂でうるおいのある美が自然に外に匂いでるような趣であり、日本人の究極のこころ、精神を形づくっているのである。
ここに紹介するものは構造的建築物自体でなく、数寄屋に代表される茶室風建物に、より一層「和の美」を加える日本独自の奥ゆかしい品位ある造作物で、日本人の繊細な皮膚感覚そのものなのである。
これらの数々の工芸は芸術性の高い落ち着いた影と瀟洒な様式を持ち、住む人の品格を現し、伝統美の「和の家」を形づくるのである。
ここに数寄屋の代表的な茶室、建具、造作、庭園などを紹介しますが、いずれも設計から施工まで一環した注文をふじもと工務店の数寄屋棟梁・大工がお引き受けいたします。

通風や採光をよくするために、
天井と鴨居(かもい)や長押(なげし)
との間に格子や透かし彫の板を
はめこんだ部分。

欄間と土壁
欄間彫刻

格子窓(こうしまど)・障子などに
はめこんである細かい木材で
いろんな形のデザインがある。
雪見障子の組子と網代の引戸

丸窓のある茶室

丸窓より秋の前栽を見る

丸窓より前栽を見る

シンプルな丸窓 落ち着いた雰囲気

下地丸窓

下地窓

竹、檜などを薄く削って縦横または
斜めに編んだものでもともと垣、
びょうぶ、笠、牛車などに張った
ものであるが、天井や壁に張り
その装飾性を家屋にもちいた。
網代天井

網代天井

すす竹と網代

すす竹天井

細く削った竹や葦(あし)などを並べて糸で編んだもので部屋のしきり、日よけ用に使う。御簾(みす)は簾の敬称で客殿・神殿などで使う目の細かい綾でふちどられたすだれ。

中国から渡来した美しい色模様のある紙。又はそれをまねて色模様をすりだした装飾用の紙。唐紙障子の略。唐紙をはった引戸。ふすま。

唐紙襖

桃山時代に完成した住宅の形式。床の間、玄関、明かり障子、畳等のあるもの。

書院・床の間・違棚

二枚の板を左右段違いに造り付けた棚で
主として床の間の脇や書院などにつくる。

書院・床の間


頑丈な感じの蔵戸

重厚感がある


木の下にある茶室

水屋

茶室躙り口より見た露地石

竹で編んだ庭の枝折戸

四ツ目垣

沼津垣(網代)

柱だけで壁がなく屋根を四方に葺きおろした小屋。庭園などに休憩所として設ける。亭(ちん)。東国風の粗末な家屋の意から。「四阿」の「阿」は垂木(たるき)の意。

玄関土間 格天井と引戸の化粧
玄関 古い町家風

木の風呂桶 無双窓

露天風檜風呂

檜風呂

囲炉裏ござを敷いて簡素な味わい