合薬(ごうやく)屋の正面外観。本瓦葺きの屋根にこけら葺きの通り庇、そして中央には大きな屋根看板が付いている。大坂の大店によく見られた店構えである。なお、通り庇は「ねじがね」で釣られている。

[中]表店の玄関。正面には舞良戸(まいらど)をたてて格式が整えられている。奥には中庭がのぞき、店の間とはまったく異なる趣となっている。
[左]表店の玄関庭。店庭(土間)の奥は玄関庭で、隅には井戸が掘られ竹が植えられている。左手は玄関、暖簾の奥には台所庭(土間)が延びる。



[右上]中庭。店の間との間に造られた1間半四方の小さな中庭によって、町家の内部は風通しがよくなり、明るさも増す。
[上]へっつい(竈)や走り(流し)が置かれる台所庭(土間)の上部は天井を張らず、梁組や縦横に通る束と貫を見せ、火袋とよばれる。その豪壮な小屋組は、町家の見どころの一つ。
[右]土蔵。大坂の土蔵は鉢巻きと呼ばれる屋根の軒が厚く、窓は片扉、壁面下部の石垣を漆喰で塗り込まないのが特色であった。



[右]合薬屋の座敷。もみじ色の大坂土で仕上げられた座敷は、床・棚・付書院の座敷飾りを備え、手前に続く中の間との境には欄間がはまる。
[下]建具を開け放つと座敷の縁側から店の間、さらには表通りまで見通すことが出来る。町家の間取りの大きな特色である。
[上]夏の合薬屋座敷。暑い夏、座敷のしつらいは大きく変わる。襖や障子はすべて簾戸に入れ替えられ、部屋には籐の上敷が敷き詰められる。いかにも涼しげである。




[上]引き込み大戸。引き込み式の大戸で表側に板戸、内側に格子戸がたてられ、ともに潜り戸が設けられている。板戸の裏に設置された枢(くろろ)は戸締まりのための仕掛けである。

[右]昼間の町家では格子窓を通して外の様子がよく見えるが、反対に外から室内はほとんど見えない。格子はデザインによって米屋格子・酒屋格子・炭屋格子などと商売と関連させて名付けられたり、大坂格子・京格子・堺格子など地名を冠してよばれた。
[左]つし2階のむしこ窓。堅格子を土で塗り込めて防火構造とし、虫籠のように格子が細かいところから、虫籠窓と書いて「むしこ」窓とよばれる。周囲に額縁をまわすものや両端を円形にするものなど、その形はさまざまである。



[左]町家の井戸は通り庭(土間)に設けられることが多い。炊事や風呂水に利用する。
[右]町家の風呂場。下から火を焚き板を沈めながら入浴する五右衛門風呂。江戸時代には風呂屋が発達するが、大坂では風呂場(内風呂)も普及していた。

[左]便所は家人や客人が使用する。上下駄が置かれ大小の区別がある。下肥は大坂三郷周辺の農村へと運ばれ肥料とされた。
[右]右は奉公人用の下便所。家人と奉公人では便所を使い分けていた。