呉服屋の上店。店内は通り庭(土間)を挟んで上店と下店に分けられ、上店は絹を主とした太物や反物を商い、下店は木綿や古手を扱う。上店の箪笥には高価な反物が収納されている。じっさいの商品である多くの太物・反物は屋敷の奥にある土蔵に納められる。

[右]呉服屋の表構え。絵画資料によると当時の呉服屋の庇はこけら葺が多かったようである。また、太陽光による商品の色あせを防ぐため、表に長暖簾を釣り下げていた。
[左]呉服屋の屋根看板。江戸の屋根看板は間口と平行に置くものもあったが、大坂では庇の上に垂直に置くのが一般的であった。