第2章20項
屋根工事と瓦葺き

■瓦土葺き工法

施主さんの希望で瓦は本格的な日本瓦、下葺きは昔の工法をとることになる。
土居葺きと言って、杉を薄く削った板を瓦の下に敷き込む下葺工事で関東でトントン葺き、新潟で木羽(こば)葺きとも言う。ルーフィングに代るもので伝統の工法のひとつである。木が持つ自然の調湿性、通気性があり結露が出来ない。瓦を固定し、冬暖かく夏涼しい効果が発揮される。
瓦桟木を打って下葺材との間にわらスサ入りの粘土を入れ、空間を埋め、屋根地の大部分(平葺き)に使われ最も多い桟瓦と使用個所の違う袖瓦や軒瓦などを組んで完成させる。
この工法によって屋根荷重が増し、地震や台風に自重が対応し、「石場建足固め構法」の土台に安定を与えるのである。